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2017年11月22日(水)

レクチャーコンサート・シューマン《幻想曲》

at: レポート

〜11月17日開催 レクチャー &コンサート レポート〜

朝日カルチャーセンター新宿教室にて開催、ご好評いただいておりますピアノ・テクニック講座(表現力編)を11月はお休みさせていただき、
11月24日に開催されるリサイタルに先立ちまして、
演奏曲目であるシューマン《幻想曲》のレクチャー &コンサートを開催いたしました。

まず“ファンタジーとは何か”
ファンタジーとは、強い形式を持たず、自由。大胆な転調を駆使し、やや即興的内容を持つもの。
切り開いたのは“バッハ”の幻想曲であり、
シューマンの幻想曲は2種の要素があります。
1つ目は“ベートーヴェンへのオマージュ”
ベートーヴェンの歌曲を引用し、捧げる意図を持っているということ。
2つ目は後に妻となる“クララ”への思いを孕んでいるということ。
クララへ対するメロディーは下降する音階であらわされ、歓喜と官能の渦がみられます。
同じ下降するモチーフを使って書かれている、《f-mollのソナタ》はクララの主題によるロマンティックなバリエーションになっていますが、この作品との“表情の違い”を演奏を交えて解説いたしました。

☆1楽章
・ラストのAdagioは上で述べたように、ベートーヴェンの歌曲の引用。
シュレーゲルの詩の引用“かすかな響きに…”が、まさにこの部分であり、本当に伝えたかったこと。
・下降するメロディーは本来なら“属音から主音”ですが、属音の1音上から始まることで“高揚感”があらわされている。
・5連符は現実と離れたものをあらわし、拍と合わないことに意味がある。
→同じくリサイタル演奏曲目である《交響的練習曲》やショパン《バラード》も例として取り上げました。
・シンコペーションやユニゾンが多用されている。
ユニゾンがずれるのは、対話のようなものであり、“回想”も多く見られる。
・内声に隠されているテーマを見落とさないように。

☆2楽章
・“英雄”の調性で書かれている。ベートーヴェンの《ソナタ28番・2楽章》と共通点が見られる。
・シンコペーションの効果や自由な転調。さらにはモニュメンタル的な部分も見られる。

☆3楽章
・“狂騒”から残るものとは…?その答えが、この3楽章であると言えます。
・3度ずつ下がるのはベートーヴェンの手法
・6度の平行は愛のデュエットの調べ。
1楽章では“同じものに立ち向かう”という意味合いだったものが、ここではリラックスしたものが感じられる。

… 等、鑑賞のポイントのみならず、演奏のポイントまでたっぷりとお送りいたしました。

次回朝日カルチャーセンター講座は、12月22日(金)
【ピアノ・テクニック講座】〜ピアノの表現力〜
「ピアノに何を聴きとるか」です♪

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♬東京公演は2日後!
11月24日(金)
19:00開演、東京文化会館 小ホール 開催!

everevo
・東京文化会館チケットセンター 03-5685-0650
東京文化会館
e+(当日券対応)
お問い合わせ:株式会社 演 mail@ykpianoforte.com

☆☆☆聴きどころ☆☆☆
演奏曲目、シューマンのアレグロは自分で校訂した版を使い、交響的練習曲は2006年に見つかった6曲目を補筆し、完成版を演奏いたします!
ここでしか聴けない貴重なプログラム。

ぜひ、お誘いあわせのうえ、ご来場ください♪(N.K)