LIBRARY LIBRARY

2017年1月23日(月)

【朝カル・ピアノテクニック講座 第2弾・第1回】

at: レポート

2017年1月20日ー
朝日カルチャーセンターにて、ピアノテクニック講座 第2弾の第1回目となる「タッチの基本」応用編が開催されました。
この応用編は受講者様が実際に取り組まれている曲や、お悩みの点などを伺い、リクエストを交えて解説するといった構成で、第1弾とはまた違い、皆様にとってより実感しやすく、練習の際にはより取り入れやすい内容であったことと思います。

今回印象に残ったのは、菊地の“たとえ話”。
多くの人がやっている“指を根元から吊って、宙に浮かせた状態で1個1個下げようとする”弾き方。これを菊地は“蝉を捕まえた時にバタバタするよう”と例え、それでは鍵盤と常に密接していられず、鍵盤とのコンタクトがとれないと話しました。
また、タッチは“書く”という動作に似たような感覚(強弱・トメハネ・太さ・濃さetc)があり、とても複雑なことをしているのだから、ピアノを弾くことも同じことである。
スマートフォンを操作するような鋭敏な指先の神経を、誰しも持っているということ。
ふわふわで尚且つ凸凹な雪の上を歩くときに感じる雪の深さ・かたさ、滑らないように雪を圧縮する感覚。それは鍵盤という“地形”の情報を得て歩くこと(弾くこと)と同じであり、目で見て、指先で見る(感じる)ことの大事さ。
さらには本番前に机の上のようなかたい所でカタカタと指を動かすよりも、お腹の上のようなやわらかい所で“深さ”を感じることのほうが大事かもしれない。といったお話では笑いが起き、次は何が聞けるだろう。何の曲が聴けるだろう。と、一言一言 聞き逃すことのできない。一音一音 見逃すことのできない 菊地の解説とテクニックで、とても充実した時間となったことと思います。

鍵盤の地形と手の形や状態が瞬間どうなっているのかを切り出した上で、その瞬間をどう繋げば“アニメ”あるいは“日本舞踊”のように一つのなめらかな動作になるかを考える。
私もピアノを弾く身として、“繋げ” “歌え”の意識が、余計な要素の動きを加えている可能性があるということを、改めて気づかされました。
ネコが高いところから着地する動きや、回転、跳ねる動き等、動物の特殊な動きから得るものもあるということも、日常生活の中で自然に身体の“バランス”を考えて動いているということも、何気ないところにヒントがあり、そのヒントをうまく取り入れることで解決することがあるということ。見落としてきたたくさんの“ヒント”を、見逃さないようにしようと、実感させられる機会となりました。

さて、第2回は2月3日(金)、テーマは「フィンガリングの奥義」です。
気になる回のみのご受講も可能でございます。
もちろん初めての方も、前回の復習を交えた内容となっておりますので、ご安心なさってお越しくださいませ。
皆様が普段お困りのことが、解決するかもしれません。

毎度拙筆ではございますが、レポートをご一読の上、ご興味を持っていただけますと幸いでございます。
皆様のご受講、心よりお待ちしております!(N.K)

♪今回取り上げた曲♪
・シューベルト 即興曲Op.90 D899・2番 4番
・ショパン エチュード10-1
・ショパン 英雄ポロネーズ
・ショパン マズルカ
・ラヴェル ピアノコンチェルト 他