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2016年10月25日(火)

《ピアノテクニック講座》第2回「フィンガリングの奥義」

at: レポート

10月21日、朝日カルチャーセンター新宿教室にてテクニック講座の第2回が開催されました。
たくさんの方に足をお運びいただきましたこと、大変嬉しい気持ちでいっぱいでございます。
第2回のテーマは、第1回の「タッチの基本」に続き「フィンガリングの奥義」
[何が“歩く”で、何が“走る”か。はたまた歩くと走るの“違い”は何か]という導入から始まりました。
鍵盤を“地形”と捉え、どうしたら安定して歩けるのか。どうしたら安定して弾けるのか。
歩く道が平らとは限らないのですから、手を人、鍵盤を地面に見立てることで、手と鍵盤の繋がり方が大変想像しやすいことと思います。

菊地は具体例としてバッハを取り上げました。
バッハにおいて多くのピアニストが怠っているのは、全ての声部を把握し保持すること。
“音が減衰しない楽器”で弾いた時のことを考えることで、声部が途切れないよう意識できるのではないか。
また、3声の場合に真ん中の声部は左右の手で受け渡しながら弾くことになります。その受け渡しが“かえ指”や“くぐり指”の代わりになり、できない時には更にペダルが代わりとなってくれるのです。
ペダル使用時には、それらの“代わり”であり、受け渡しの手段であるという意識を持ち、受け渡すだけでなく、受け渡したものを受け取るまでの一連の流れを練習することもまた、大事なことであると気づかされました。

フレーズをどうわけるか。何が骨格になっているのかを知り、ポジションの取り方で指づかいを考え、次に入る時は常に有利な状態でいられるよう模索すること。
“フィンガリングの奥義”とは何か。
それは次の音がある限り、次の音を弾きやすいようにし、どう“かまえるか”にあるのです。

11月4日に行われます、レクチャーコンサートの曲目であるショパンのノクターンを先取りし、動きの効率の考え方についてのレクチャーもありました。
鍵盤という地形に合った動きで最短距離を動くこと。
ピアノを弾くにあたり、手が小さいことで悩んでいる方も多くいらっしゃると思います。
腕の向き、手の角度や倒し方で距離が広がり、指づかいの可能性がふくらみ、解決することも多くあるのではないでしょうか。(※写真参照)
その曲を弾くにあたって、本当に難しい所がどこなのかを見極めることも、フィンガリングに直接繋がるのです。
菊地はこの講座の最後に、「リゲティのように音の周期や拍の周期がずれているものもある。リゲティのような現代音楽を弾いて色々なことに気づくことも大事である」と締めましたが、今回の講座内では、“バッハをやり直すことで、他の曲にプラスに作用することがある”とも申しました。
様々な時代の楽器を想像し、様々な時代、様々な作曲家、様々な作品に取り組むことの大事さをも考えさせられる機会となりました。

次回、第3回は11月18日(金)「ペダリングの魔法」です!
指とペダルをどう繋げるか。耳、足、指と……。
第3回詳細
第1回、2回を逃してしまった新規受講者様もお待ちしております!

また、レポート内でご紹介いたしました11月4日(金)の詳細は下記の通りです。
♪レクチャーコンサート 「誰もが弾きたいショパンの人気曲」
時間・19:00-20:30
会場・朝日カルチャーセンター新宿教室(新宿住友ビル)
料金・会員3240円 一般3888円
[曲目]
バラード 第1番 ト短調 Op.23
ノクターン第13番 ハ短調 Op.48-1
ポロネーズ第6番 変イ長調「英雄」 Op.53
レクチャー&コンサート詳細
ピアノテクニック講座とあわせてご受講してみてはいかがでしょうか?

(N.K)